次世代のコンクリート補強筋 TAFROD(R)

鉄に替わり「錆びない」「軽い」「強い」次世代のコンクリート補強筋TAFROD(R)

TAFROD(R)の特性

放射線に強いTAFROD(R)

放射線管理区域内のコンクリート構造物をタフに!

鉄筋は、放射線を浴びると放射化するとともに、通常環境に比べて錆が促進されます。
耐放射線性のTAFROD®(TFRシリーズ)は、ガンマ線の積算照射線量5MGyでも引張耐力を維持します。放射線管理区域のコンクリート構造物の補強筋に最適です。

放射線管理区域内のコンクリート構造物をタフに!

耐放射線環境下のコンクリート構造物を連続繊維シートで補強したい場合に、長期的に性能を維持することができる、アラミド繊維製シートと含侵樹脂も別途取り揃えておりますので、お問合せください。

プロジェクトストーリー

近年、放射線管理区域内のコンクリート構造物等の耐震基準が厳しくなりました。これにより、新基準に満たないものが多数あることがわかりました。従来の鉄筋コンクリートでは、放射線により錆が促進されて、構造物の短命化に繋がると言われており、これらを解決するべく、株式会社 関電工より高度な耐放射線性を有するコンクリート補強筋の研究開発の依頼を受けました。弊社のTAFROD®に使用するアラミド繊維は、元々優れた耐放射線性を有しており、当初この依頼が難題になるとは思っていませんでした。

プロジェクトストーリー
プロジェクトストーリー

まず基礎研究として、使用する原材料の分析から始めました。TAFROD®の製造に必要なアラミド繊維やその他原材料、さらに製品そのものを量子科学技術研究開発機構に持ち込み、ガンマ線(コバルト60)を最大積算線量5MGyまで照射しました。照射した試料を某大学で動的粘弾性測定や、核磁気共鳴装置により測定するのですが、使用する装置に合わせ、大変小さく、高精度な試験片を製作する必要がありました。試験片のわずかな誤差が、測定データに大きな影響を与えるため、これまでに経験のない高度な技術が必要でしたが、いくつも製作することで試験片の製作精度が向上し、測定データの信頼を高めることができました。それぞれの装置で測定して分析した結果、ガンマ線を照射していないものと、最大積算線量5MGyまで照射した試験片の分析データにほとんど差は無く、これならば大丈夫とだと確信し、コンクリート補強筋として重要な引張試験へとステップアップしました。


ところが、引張試験の結果は、積算照射線量がおよそ3MGyで破壊してしまいました。試験片の製作にミスがなかったか、試験そのものに不具合がなかったかなど、何度も確認を繰り返しましたが問題ありませんでした。いろいろと議論沸騰する中、現時点でクリアしている積算照射線量までで保証する製品にしてはという思いもありましたが、長期間保証するためにも、積算照射線量5MGyで規格値をクリアすることが望ましいとの見解が関係者全員の気持ちでした。

プロジェクトストーリー

そこで破壊した試験片をとことん観察したところ、ガンマ線を照射していないものと照射したものとで、ある違いがあることに気づきました。これまでも繰り返し観察していたので、まさかという思いがありましたが、関係者とこの点について議論を重ね、もう一度原材料を見直し、更に製造条件も再確認して試作品を完成させ引張試験に臨みました。

プロジェクトストーリー

㈱関電工立ち合いの下、ガンマ線を照射していない試験片から引張試験を開始し、照射線量の少ない水準の方から順に引張試験を行っていきました。前回の引張試験で破壊してしまった積算照射線量3MGyをクリア。その後も順調に規格値をクリアし、目標の積算線量5MGyを照射した試験片の番になりました。試験機の加力がどんどん進み、アナログ盤の針が規格値をクリアした瞬間全員が歓声の声をあげました。

プロジェクトストーリー

取り組み始めて3年。関係者全員の努力、時間をかけて製品化にこぎつけることができました。
この成果が、放射線管理区域内におけるコンクリート構造物の耐震補強や新設に活かされ、耐放射線性TAFROD®が強靭で質の高い社会インフラ構築に貢献できることを願っています。

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